ガールズ&パンツァー劇場版4DXを体験してみた

 先日、ユナイテッド・シネマ前橋でガールズ&パンツァー劇場版 4DXを体験してきました。

  まず4dxとはどんなものなのか?と4DXを体験したことがない自分にはわりとピンと来ていませんでした。
 ユナイテッド・シネマの説明によると、

 

4DX®とは、現在、映画業界で最も注目を集める、最新の<体感型(4D)>映画上映システムです。
モーションシートが、映画のシーンに完全にマッチした形で、前後&上下左右に<動き>、その衝撃を再現。
さらに、嵐等のシーンでは<水>が降り、<風>が吹きつけ、雷鳴に劇場全体が<フラッシュ>する他、映画のシーンを感情的に盛り上げる<香り>や、臨場感を演出する<煙り>など、様々なエモーショナルな特殊効果で、≪目で観るだけの映画≫から≪体全体で感じる映画≫の鑑賞へと魅力的に転換致します。
通常のシアターでは得ることができない特殊効果によって、映画の持つ臨場感=魅力を最大限開放することができる、アトラクション・スタイルの映画上映システムです。

  新次元の4Dアトラクションシアター ユナイテッド・シネマ|シネプレックス

 

 エモーショナル……ということらしいです。
 映画館も集客数が減少していたり、将来的な人口減少傾向なのも考えると、こういう新たな方向性である映画のアトラクション化というのも自然な流れなのかなと思わせられます。

 

※※※以下、ネタバレあり※※※

 

 結論から言うと滅茶苦茶動く

 上下左右に揺れるのは勿論、臀部からも微弱な振動が出てきます。
さらにカットごとに振動や揺れの時間、強弱、位置が決まっていて、カットが変わるごとに精確にピタリと挙動も変化します。あまりに精確過ぎて怖いくらいです。また、日常シーンでも振動の無いカット、あるカットに緩急が付けられていて、こだわりを感じられます。
 4座席(4座席で1つずつ基礎が動きます)の基礎部分だけで、「オイルシールとかの点検交換大変そうだな…」とか「1基どの位お金かかるんだろ…」と思う程良く動きます。

 そして、風

 基本屋外のカットで戦車が走ったりするシーンには、どこからともなく風が吹いてきます。サーキュレーターのような機械音がして多少気になりますが案外心地がよく、キャラクターの髪がなびいているのを見ながら同時に風を受けると、思いの外相乗効果が発生します。

 さらに、水と空気

 雨のシーンでは、ドライミストのような設備が稼働し、ぽつぽつと雨のような何かが落ちてきて濡れたように感じます。が、上着に水滴が付くこともなく、すぐ気化していました。ここは演出と振動も相まってさらに悲しいシーンに盛り上がっていたと思います。とある別のシーンでは、水が吹き出したりして「ここで来るのか…」と。(劇場版には大々的に水に濡れるシーンがないため)周りで見ていた人達も眼鏡を拭いたりしていたので、眼鏡拭きやタオルハンカチを用意しておくと便利です。
 また、耳の裏から発せられるエアーショットでは、すり抜けていく砲弾や機銃を
表現していて臨場感を増していました、が、少しやりすぎなシーンも…
(個人的にぞわぞわするので、もう少し控えめにしてくれた方が良かったです。)

 他にも、肩たたきのような機能、足にパシパシとコードが当たったりする機能、煙幕・フラッシュ、シャボン玉、匂いなどいろいろな演出方法がありましたが、やはり効果的だったのが「揺れ」と「風」だったと思います。
 今まで眼と耳だけで体験するしかなかった映画に、触覚が追加された、まさに新時代の映画の楽しみ方、という感じでした。

 

 その他感じた印象。

 カール自走臼砲の初登場シーンや、CV-33がジェットコースターのレール上でチャーフィーに追いかけられるシーンではフラッシュ(ストロボのような閃光)が効果的に演出されていて、とても臨場感が増していました。派手な火花とフラッシュは本当に相性が良いです。

 パーシングやセンチュリオンが火花を散らしてドリフトするシーンでは、よく足にパシパシした感触を感じましたが、(小さいコードを素早く交互に動かして効果を演出している?)子供騙しのように見えて意外に驚きました。
 特に戦車自体が単体アップで映るシーンは、履帯の動きがそのまま自分の足に伝わってくるため、振動・揺れと相まって同調しているような捉え方になって楽しい。

 逆にあまりピンとこなかったのは、シャボン玉と匂い。シャボン玉は印象深いシーンに上から落ちてきたんですが、そこまで必要だったかな…?と。あと匂いは全然感じられなかったです。もっと硝煙の匂いがして良いので改善して欲しい…。

 終わった後はわりと疲れもするので、体調、健康状態が良好な時にぜひ見て下さい。

 

 感傷にひたりたい方には

 ガールズ&パンツァー劇場版はアクションありスポ根もあり感動もありますが、感動の部分に重きを置く方は4DXをあまりおすすめしません。
 それは4DXはあくまで映画に効果を「上乗せ」しているから所以、純粋に感傷にひたっている時に邪魔になってしまうからです。
 エンターテイメント性やアクション部分を思う存分楽しみたい、4DXを体感したことがなくなんでもいいから見たい、というのなら4DXを迷わずおすすめします。4DXの全てが完璧ではありませんが、アクションシーンとの親和性は素晴らしく高いと思います。

 

飲食の持ち込みについて

 また、2/20の4DX公開に合わせて「ダージリン様のポップコーンセット」が販売されていました。

 ポップコーンとピーチティーソーダ(一応蓋は付いていますが)を持って4DXはどうなるんだろう?という状況は自分も心配していましたが、大きく揺れたりするシーンでは売店の方が入れてくれたビニール袋の封を握ることで一応は抑える事はできます。一部の来場者は床に置いたりもしていました。
 ジュースも蓋とストローが付いているので、ドリンクホルダーに入れておけばさほど大きくこぼれることはないと思います。
 トイレ休憩は、振動のほぼないシーン(サンダースのC-5M輸送機が初登場し、戦車を預かるシーン以後等)に余裕のある隙に立席することは可能です。ただ、最後の激闘シーンでは、席が激しく揺れるシーンが続くので立席や戻って座るという動作は困難です。

  4DXシアター前には専用のコインロッカーがあり、UC前橋では100円支払って手荷物や特典のポストカードを入れたり出来ました。

 

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 ※左:1週目特典のポストカード(全9種、26日金曜日迄) 注:UC前橋では1週目特典終了。
 ※右:「ダージリン様のポップコーンセット」付属のフィルム風しおり(全2種、選べます。)

 

座席予約

 2/20公開初日から2日間の座席は一瞬で埋まってしまったそうですが、平日の昼や夕方の上映回で、かつ当日の3日・4日前程度ならなんとか予約が取れそうです。平日でも当日発券は難しいですが、早めに来場すれば隅っこの席が何とか買えるかも程度で、売り切れ覚悟で過度な期待はしないほうが良いでしょう。

  27日土曜日から第2週目の特典の配布が開始されます。ユナイテッド・シネマのネット予約では火曜日から水曜日に切り替わる時間にスケジュールが更新されるため、土日に4DXを体験したい方は、やはり火曜日の夜にCLUB-SPICEにログインしてパソコンに齧りつかなければチケットが取れません。休日であり特典目当てで多く訪れ、かつ4DXシアターは座席数が少ないので……やだもー!

 

 ガルパンFebri

 直接4DXとは関係ありませんが、1/25に一迅社から「ガルパンFebri」という本が発売されました。
 まさに「ガールズ&パンツァー劇場版の辞書」と言っても過言はないくらいの情報量で、劇場版を何度も見た自分でも新たな発見が載っていたり、スタッフのこぼれ話や用語集、漫画、戦車解説、大洗紀行などガイドブックにもなる(A5判に近い、210×150)手に取りやすい書籍です。
 特に制作陣のインタビューには、制作の詳しい話が記載されていて、それぞれのクリエイティブな発想や多くの人々の支えられて作られたという事実にとても考えさせられます。
 劇場版の用語集を読み解いてからまた映画を見てみるとまた新たな発見がどんどん出てきたり、エキシビジョンマッチでの戦闘シーンを実際に大洗で巡る時にも使える、お薦めしたい一冊です。

 

 以上、ガルパン劇場版4DXの感想でした。