ガールズ&パンツァー最終章 第1話

 劇場版からはや2年、この2年は長いようで早かったり。忙しい中またガルパンが観れるということに感謝しつつ、正直劇場版の完成度もあってかあまり気乗りしないなか公開日に見てきました。

 

 ※※※以下、ネタバレあり※※※

 

 ありそうで無かった展開 

 大洗校が次に戦う理由をどう織り交ぜるのか気にはなっていましたが、こう来るか…!といったシナリオで、今回の戦いは前回ほど背負った戦いにはならず笑顔で見守れそうです。

 新しいキャラクターや新戦車も出て来るとは踏んでいましたが、まさかの船底のスラムに潜む船舶科の荒くれ者ということで…(汗
 どうやって生活しているのか不安になる生徒ばかりです。

 番長のようなお銀は「宝島」のジョン・シルバー、フリントは同じくフリント船長から名付けられたオウムから、他は海賊には定番のアイテムから、ムラカミは村上水軍ということで、まさに海賊を体現したようなサメさんチームが新たに加わりました。元ネタが元ネタだけにキャラも濃く、二つ名もいっそ大洗紅さそり隊と言っても過言ないくらいの既視感がありました(笑
 サメさんチームが乗る新戦車はなんと菱形戦車のマークⅣ。世界初の戦車マークⅠの改良型で、そもそも旧…いやもはや古代の戦車がなぜ大洗校に!?と思っていましたが、本編の戦車道紹介ビデオや西住家のふすま絵、日本陸軍のマークⅣ購入の史実を見ればここで出さなくていつ出すという監督の意向なのかもしれません。

 フランスのヴィシー政権が元ネタのBC自由学園も、ケーキを頬張るマリーは勿論マリー・アントワネット、貴族側の押田は「ベルサイユのばら」のオスカル、対する編入側の安藤はアンドレのパロディと知り、これからの二人の展開を期待せざるを得ません…。
 第二次世界大戦中のフランスネタには事欠かないとは思いますが、玉ねぎの歌で締めた今回の第1話に続き、第2話には一体どんなネタが飛び交うのか楽しみです。

 マリーが乗るフラッグ車ルノーFT、これも旧時代の戦車ですが、戦車史に残る戦車でもあり、後世の360度回転する砲塔、操縦室、エンジン室と明確に分かれている車内レイアウトを確立し、菱形戦車のような形態から大きく居住性を改善させた戦車なのですが、それがハートマークとマリーを添えるだけであんなに可愛い戦車に印象づけられたのがとても新鮮で、まるで女性向け軽自動車のような立ち位置で描かれるFTに違和感がなく驚きました。きっと中にはファーのついたマットが敷かれているに違いありません。

 他にも細かいネタが多く、木造の橋は「戦場にかける橋」のあの橋だったり、秋山フィルムがルーカスフィルムのロゴだったり、自動車部は佐藤琢磨選手で記憶に新しいインディネタで相変わらずだったりで、かなり楽しませられた1話でした。
 中でもオープニングは劇場版から最終章に繋ぐ橋架けのような役割で、本当に最終章に入ったんだな、と思わせるピリッとしたものになっています。今までのキャラクター達が出て来るシーンには感慨深いものがありました。

 47分というOVA形式ではありますが、やはり砲撃音も劇場版に劣らず凝っているのでぜひ劇場で見て欲しいと思います。

 

  歴群図解シリーズの「戦車」にも菱形戦車やFTの事が乗っているので手っ取り早く知りたい方にオススメです。

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